
土には、室内の湿度を調整する機能があり、空気中の水分が多すぎるときは吸収し、乾燥しすぎるときは吸収した水分を放出して快適な湿度の状態にする。これは土壁を塗るときに多くの水を使用するため、施工後に水分が抜けて硬化し、土壁内部に小さなすきまがたくさんできることによる。これにより断熱性にも優れていることが分かる。土は厚いほど調湿性に優れており九州のような高温多湿の地域ではより効果的材料である。土は空気中の化学物質を吸収する働きもする。
合板の下地に竹を半割りにして組み、地元の土と漆喰それにすさを混ぜ合わせて3センチの厚さに仕上げる。土蔵に比べコストも相当抑えることが出来る上、下地に合板を使って、丁寧な塗り仕上げにすることで地震にも強い。
外部は、合板の下地に防水モルタルを塗りその上に植物油を混ぜた土塗り壁を2センチ厚に塗る。土壁は砂、セメント、すさ等を少量混ぜる。内部はラスボード下地に地元の土と漆喰を混ぜ合わせたものを2センチ厚で仕上げる
土蔵造りのように厚く塗り込められた熱量の多い土の蓄熱性を利用して、外壁を2重にし空気の熱容量をはかり暖冷房のエネルギー効果を得る。
土は、どこでも手に入るローカルな材料で地球環境的にみても将来土に戻るというやさしい材料である。
ある程度安価に、そして早くという現代のニーズにあう現代版工法で土の良さを広められる。
土という昔からの自然の材料を現代の鉄やガラス、コンクリートという材料と組み合わせて使うことにより、 時間が経っても変化のない無機質な現代材料と、時間が経つにつれ変化していく有機的な木や土の材料とが空間の中で共存し、違和感なく融合する。
毎日土壁と接していると、日によって表情が変わるのも興味をそそるし、自然に存在するものを加工しなくてもダイレクトに使う自然回帰の土の力がそうさせるのかも知れない。
