時を経たとき、存在感の増す建物を創っていきたい。
建築は環境を身近なものより考えることからはじまります。
なかでも、住宅は、建築を考える上で一番良い素材となるものです。
住宅を設計するときの要素として、
(1)自然素材の利用
木、竹、土をはじめとする飽きのこない自然の素材を多用したいものです。 例えば、土壁は室内の湿度を調整する機能があり、空気中の水分が多すぎる時は 吸収し、乾燥しすぎる時は吸収した水分を放出して快適な湿度の状態にします。 これは、土壁を塗るときに多くの水を使用するため、施工後に水分が抜けて硬化し 土壁内部に小さな気泡がたくさん出来ることによります。さらに、この構造により 断熱性に優れ、また吸音性や吸匂性、吸煙性もあることもわかります。 木や竹も用途を心得て利用すれば、素晴らしい自然の材料です。
(2)シンプルで感動を与える空間性
健康な住宅を目指す時、自然の光をさんさんと浴びる明るい窓と、それを通して入る 気持の良い風の流れを作ることは必須条件ですが、その中で温かみのある、居心地の 良い空間を作ることが大事です。昔ながらの知恵を現代の技術で再利用、再復活する ことにより、季節ごと、日ごと微妙に変化する空気の流れ、光の移ろいなど頬に伝わる 感触や、色、質感、陰影を通して自然への愛着がより湧いてくるし、奥行きのある 立体的な、そして感動を与える空間が出来上がります。
(3)そして、テーマ性
住宅にとって、家族とは永遠のテーマです。そのためには平面設計(間取り)は、 住宅の良さを一番左右するものです。これから十年程度の家族の構成、ライフサイクル も考えて、コミュニケーションとプライバシーの可能な間取りを検討します。 個々の家族が各々別の解答を持っているのであり、既成の形に合わせるのではなく、 家族のあり方が平面設計に反映されるべきものなのです。住宅という空間が精神生活 にも大きく影響するというゆえんがここにあります。
このように、身近な材料や方法、経験を用い省エネで快適な健康住宅を考えていくことから環境建築を考える一歩が始まります。そして、それは住宅から他の建築、 コミュニティ、そして地球規模の調和、保持へとつながっていくのだと思います。
(有) 武田設計 一級建築士事務所 代表取締役
武田正義(たけだまさよし)
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